「宇宙桜」 を知っていますか?

地球(ここ)に咲く花 君が美しいそのわけは?
 この星の朝露をもらったから

地球(そこ)に咲く花 君は誰のために咲く?
 種を「いのち」と呼んでくれる人のため

地球(ここ)に咲く花 君は何のために在る?
 いのちの美しさ 受け継いでいくため

地球(ここ)は 君が咲く星
 僕らが生きる星

 

- 出典:宇宙桜誕生秘話: 花伝説・宙へ! -

“さくら”といえば、『ソメイヨシノ』を思い浮かべる人が多いと思いますが、『宇宙桜』と呼ばれる桜があることを知っていますか?

宇宙に桜が咲いているわけでも、桜に似た何かが宇宙にあるわけでもありません。
宇宙桜は、有人宇宙システム株式会社が行った社会貢献事業「花伝説・宙へ!」から生まれた桜です。

2008年2月、宇宙の文化利用という新しいジャンルを創造する壮大な計画がスタートしました。
日本各地の桜の種子を国際宇宙ステーションへ宇宙旅行させよう、というものです。

日本の8割を占めるソメイヨシノは百年以上かけて接ぎ木で増やされてきたクローンの桜で種からは育ちません。
そのため、三春の滝桜など古来種にあたる日本各地の千年級の名桜から、地元の少年少女らの手で種が集められました。

同年11月、若田光一宇宙飛行士とともにスペースシャトル・エンデバーで宇宙に旅立った種は、国際宇宙ステーション「きぼう」に8ヶ月半滞在しました。
そして地球帰還後、各地に戻った桜の種子のごく一部が発芽して「宇宙桜」が誕生したのです。

地球上で1,000年を超える時を過ごした桜の木の種が、宇宙で4,000年の夢をみた。
そして、地球に戻り、芽吹き、花を咲かせ、また悠久の時を過ごしていく…
その偉大さを想像すると、心の琴線に触れるような気持ちになりますね。

 

そして、きぼうへ

2011年3月11日、未曾有の大地震と津波が日本を襲いました。
この東日本大震災復興支援事業にも宇宙桜が登場します。
「きぼうの桜」として、被災地の津波到達点以高に植樹する活動が行われているのです。

宇宙桜は、樹齢千年級の名桜の直系子孫なので、適切に育てていけば巨樹に成長し、次に大津波が来る千年先までも生き続けると考えられています。

宇宙の過酷な環境に晒され、それでも芽吹き育つ桜を復興のシンボルに。
風化しない避難の目印を子孫まで残そう。
壮麗な桜の巨樹を育てる市民活動を地域の再生につなげよう。
大きな観光資源として、被災地の経済に貢献してほしい。

「いのちの美しさを受け継いでいく」という目的を持った花伝説プロジェクトから生まれた宇宙桜が、たくさんの想いを込められて被災地の”きぼう”となる。
そして地域とともに生き、新たな伝説を紡ぐ未来の遺産とする。

きぼうの桜計画を1人でも多くの方に知っていただき、共感・支援していただけたら嬉しいなと思います。

 

本の紹介

紹介した宇宙桜のプロジェクト始動からのドキュメンタリーが、1冊の本として出版されています。
各地の桜や桜をとりまく人たち、子どもたちの想いに胸があたたかくなる、読み物としても楽しめる本ですので、ぜひお手にとってみてください。

 

『宇宙桜誕生秘話 花伝説・宙へ』

関連リンク

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